『三分節共栄社会―自由・平等・互恵・持続可能性性を実現する―』2の2
まとめ
現在ますます多くの人々が自ら変化を促し、より良い世界を創るために貢献したいと考えています。みな自分の持つ潜在能力に目覚め始めています。個人はもはや集団のために盲目的に自らを犠牲にすることはなく、自己を発達させ自分の価値観を明確にしたいと望んでいます。伝統的な社会形態が崩れ、科学技術によって地球を存続させることも破壊することもできるようになった今、私たちは個人として物事に取り組めるようになりました。社会および地球に対する責任を背負っていこうという覚悟が新たに生まれています。また私たち自身の社会の見方が「自己成就する予言」になる可能性があるため、再帰性の原理の重要性に気づきます。反省と現実直視が必要です。他者と連携することで、私たちは望ましい地域や組織の未来を共同で実現できる機会を手にしているのです。誰かの責任ではなく、私たち自身の責任なのです。
昔ながらの政治制度・経済制度は壊れつつあります。古着が縫い目からはち切れているようなものです。人々は古い構造からだんだん自らを解放しています。けれども、市民の権利を行使して、責任ある消費者あるいは生産者として働きながら、自由に考える個人として生きるにあたって、次のように尋ねてみる必要があります。「どんな見取り図がこれから出現する社会の役に立つか。私たちが持っている力は何であり、どんな力があったら最も効果的であるか。実業界・国家・市民界という三つの勢力からなる社会の見取り図を共同の利益のために役立てるにはどうしたらよいか。」